当事者が遠いと何が問題なのか
司法書士の本人確認の問題
親族間売買における当事者が遠方の場合の本人確認を説明する上で、まず不動産会社の仲介があり、銀行が融資し、司法書士が登記申請をする通常の不動産の売買の大まかな流れについて最初に説明していきたいと思います。
まず不動産の売買の流れの中で、一番最初に行われるのが、売主、買主の売買契約の内容の決定と売買契約の締結です。売買契約締結日に売買契約書に売主、買主両者が署名捺印します。売買契約から、代金の支払い、登記申請まで全て同日に行うと思われている方は多いですが、多くの場合、別日に行われます。
次に、融資及び売買代金の支払いが行われる決済があります。そしてその決済の場で司法書士による本人確認が行われ、売買代金(融資を受けて)の支払い、書類の提出、署名捺印が必要な書類への当時者の署名捺印が行われ、全てを司法書士が確認したあと、管轄する法務局において登記申請が行われます。登記申請から1週間から10日で登記が完了し、不動産売買の一連の流れが終了します。
この不動産の売買契約の流れの中で、司法書士による本人確認について遠方の場合は、どうなるのかについて、今回は説明していきたいと思います。