なぜ不動産売買契約書には実印を押すのか
不動産の売買契約書に捺印する印鑑はなぜ実印なのか。実印である必要性を説明する前に、実印とはどのようなものなのかを説明する必要があります。
実印とは、自分が住む市区町村に印鑑を登録し、その印鑑が自己の印鑑であることを役所に証明してもらった印鑑のことを言います。そしてその印鑑の印影を証明した書面を印鑑証明書と言います。つまり、実印は本人の印鑑であることを役所が証明した形となり、一定の信用性のある印鑑となります。
上記の通り、実印は本人の印鑑であると役所が証明していますので、実印での捺印は本人の意思が間違いないことを証明する1つの材料となります。
つまり、不動産の売買契約書に実印での捺印があるのならば、売買契約を行うのが本人であり、その本人に売買契約を締結する意思があることが間違いないことを証明できます。
不動産のような高額な売買代金になる財産の売買契約については、トラブルになることを可能な限り回避する必要があり、その中でも売主、買主が本人であること、また売買する意思があることは非常に重要になります。売買契約後に契約をしたのが本人ではなかったとなってしまっては、売買契約は無効になってしまいますし、その売買契約に関わっていた当事者に損害が発生してしまいますので、売買契約を締結する際の捺印は実印で行うのが基本となります。