深刻化する空き家問題
なぜ空き家は増え続けるのか?
現在、国内の空き家の数は800万戸以上といわれています。住宅の数がおよそ6,000万戸ですので空き家率は13%超ということになり、7軒のうち1軒は空き家ということになります。その内訳としては、賃貸用の空き家が400万戸超、売却用の空き家が30万戸、二次的住宅の空き家が40万戸、その他の空き家が300万戸超となっています。
特に最近増加傾向にあるのが、その他の空き家で、投資目的や売却意思のない空き家を指しています。(2030年頃には、空き家の数は1,900万戸超となり空き家率27%、4軒のうち1軒は空き家になるというデータもあります。)
なぜ空き家が増え続けるのかというと様々な理由が挙げられますが、主に次の2つによるものが大きな理由となっています。
①新築志向
日本人の新築志向は世界的にみても非常に強いといわれています。国内における新築住宅の数は年間でおよそ90万戸超となっています。アメリカは年間100万戸超ですから、日本は人口のわりに新築住宅が多いのがお分かりかと思います。また、中古住宅の流通量は、日本の場合には約15%、アメリカは約83%と、その差は歴然です。
日本人にとって、「夢の新築マイホーム」という思いが根付いている証拠です。
更に、新築される住宅よりも除去される住宅の方が圧倒的に少ないのが現状です。それには、解体するための費用、取り壊して更地にすることで固定資産税が高くなる、相続によるトラブルなど、空き家が生まれる理由は様々あります。
②高齢化社会
高齢により、ひとりで住めなくなってしまうと、家族と同居をしたり施設に移り住むことで空き家が発生してしまいます。いまの高齢化社会において、そのような事情により今まで高齢者がひとりで住んでいた住宅が空き家になってしまったというケースが増え続けています。