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借地権とは

借地権について

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借地権とは何か

借地権とは、住宅などの建物を建築するためにお金(地代)を払って、土地を借りる権利のことをいいます。借地借家法では以下のように定義しています。

《借地借家法第2条1号》
「借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。」
“建物の所有を目的とする”とあるように、建物がない駐車場、建物がない物置き場などはこれに該当しません。
 

借地の種類は?

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借地権には、旧法(借地法)と新法(借地借家法)が存在しており、旧法の場合には借地人の権利が強いため土地の返還が難しいなどの地主側に不利な点がありました。新法では、借りられる期間を定めた定期借地権などが設けられています。新法の借地借家法では、借地権に「普通」と「定期」の2つの種類があり、「定期」はさらに4つに分類されています。

① 普通借地権
契約期限はあるが、更新することで半永久的に借り続けることができる。存続期間は構造に関係なく、当初30年、合意上の更新であれば1回目20年、以後10年となっている。

②-1 定期借地権(一般定期借地権)
定期借地権付き一戸建て、定期借地権付きマンションともに、住宅用として土地を賃借。契約期間は50年以上で更新はなく契約終了後は更地にして返還する。

②-2 事業用定期借地権
事業用(商業施設など)で土地を借りる場合。契約期間は10年以上50年未満。(2008年1月1日の法改正以前は10年以上20年以下。)契約終了後は更地にして返還する。

②-3 建物譲渡特約付借地権
契約から、土地所有者が建物を相当の対価で買い取る定めあり。契約期間は30年以上。

②-4 一時使用目的の借地権
工事などの仮設事務所、プレハブ倉庫、イベント用建物などで、臨時または一時的に土地を借りる場合。

※定期借地権は、新法(借地借家法)によって新たに新設されました。定期とあるように、あらかじめ定められた期間しか存在しない借地権です。以前の旧法では、「土地は一度貸すと戻ってこない」と言われていました。旧法では借地人が非常に強い権利を保持していたからです。そこで新法では、更新規定の適用のない期間を確定した新たな借地制度である定期借地権を設けたのです。定期借地権では、土地の所有者と利用者が別々であり、土地の所有者は、土地は必ず戻ってくるという信頼のもと土地を提供して保証金、地代という利益を得ることができ、土地の利用者は、一定の保証金、権利代、地代を支払い決められた期間だけ土地を利用することが可能となりました。結果、これにより、借地供給が促進されるようになりました。
 

借地権のメリットとデメリット

借地権には以下のような特徴が存在します。

◇メリット
・旧法の場合には、半永久的に借りられる
・固定資産税、都市計画税の負担がない(地代で負担していることになる)
・比較的条件の良い場所にあることが多い
・借地権付き建物を購入する場合は、所有権付きより安く購入できる

◆デメリット
・所有物にはならない
・地代の支払いが必要
・更新時に更新料がかかる場合がある
・建物売却の場合には地主の許可が必要となる(譲渡承諾料が必要)
・借地権を第三者へ売却するのは難しい
 

賃借権と地上権の違い

借地権は、建物の所有を目的とする土地の賃借権と地上権をいうとありますが、その賃借権と地上権の違いとは何なのでしょうか。どちらも建物の所有を目的とするために他人の土地を利用する権利ですが、その権利の強さに大きな違いがあります。

賃借権は、賃貸人の承諾を得て土地を間接的に支配するものです。地上権と比べるとその権利は弱く、賃借権を登記する場合には地主の承諾が必要となります。また、第三者への譲渡、賃貸の際にも地主の承諾が必要です。賃借権には地上権と違い地主に登記の協力義務がないため所有する建物の登記をすることにより、賃借権を登記したのと同様の効果を得ることが可能となります。

地上権は、土地を直接支配できる強い権利をもっています。地主の承諾を必要とすることなく地上権を登記し第三者へ譲渡、賃貸することが可能となっています。地主には登記の協力義務があり、借地権者が望めば地上権の登記に応じなければなりません。

民法でいう物権(地上権)には、物を支配する強力な権利があることから、債権(賃借権)は目に見えない権利であるため物件(地上権)に比べると弱い権利となってしまいます。物権は、物を直接かつ排他的に支配する権利といわれており、1つの物に対し同一の物件が多数成立することはなく、かつ誰に対しても自分のものだと主張することが認められています。これに対し債権(賃借権)は、当事者(債権者、債務者)の合意によって発生する権利とされています。

 

賃借権

地上権

権利の種類

債権
(土地を間接的に支配できる)

物権
(土地を直接的に支配できる)

登記

地主に協力義務なし

地主に協力義務あり

譲渡

地主の承諾必要

地主の承諾不要

地代

かかる

かかる場合が多い

抵当権

土地賃借権には設定不可

(建物には設定可)

地上権に設定可

借地借家法

適用あり

適用あり

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