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増改築の登記をしていない建物を親族間売買

増改築に場合も登記が必要

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増改築の登記がなされていない問題点
前回、未登記建物の親族間売買の問題について説明しましたが、今回は増改築を行っているのに、その旨の登記が行われていない建物の親族間売買について説明していきたいと思います。(前回記事:未登記建物を親族間売買

 そもそも増改築した場合にも登記が必要なのか。増改築をした場合は、前回少し触れた登記簿の表題部の登記事項の変更登記が必要になります。

前回は建物を建築した場合には表題登記をして、権利部に所有権保存登記をしなければならないと説明しましたが、今回は建物の増改築ですので、建物の権利関係に変更があったわけではなく、物理的な事項に変更が生じています。つまり権利部でなく、表題部の変更の登記が必要になります。
登記簿の表題部には、構造、階数、床面積が記録されていて、増改築を行った場合は、それらに変更生じていますので、その旨の変更登記が必要になります。

例えば、2階建ての家に3階を増築すれば階数は変わりますし、床面積も増加します。逆に、2階部分を取壊せば平家建てになり、床面積も減少します。これら増改築により表題部の登記事項に変更があった場合には、その変更があった旨を登記しなければなりません。

これも前回お話したかと思いますが、表題部の登記は義務ですので、変更があれば必ず登記が必要です。しかし、この表題部の登記を怠る方は意外に多いです。その理由については様々で今回は説明を省きますが、この表題部の登記をしていないと所有権保存登記の未登記建物同様に、のちに問題になる可能性がありますので注意が必要です。
 

増改築しているのに、未登記のままの建物を売買するリスク

 前回の未登記建物の問題と共通しますが、増改築の登記がされていない建物の親族間売買では、銀行からの融資をうけることは出来ません。つまり売買をする場合は、住宅ローンが利用できず、売買代金を一括で払うか、分割で支払うかになります。

なぜ、融資が受けられないかは、登記簿に記録されている情報と実際の建物との状況が違うからです。登記簿には二階建てで、総床面積が200㎡と記載されているのに、実際は増改築し平家建て、総床面積100㎡となっていては、担保としての価値が変わります。
また、融資は信頼関係が重要ですので、登記すら怠るような所有者が当事者(売主)になる売買に、銀行は融資したくはありません。

 そのような理由から、増改築による表題部の変更登記が行われていない建物の場合、売買で融資を受けることは出来ません。融資を受けて親族間売買を行いたい場合は、まずは増改築による変更の登記を申請してから、売買に進む必要があります。

増改築による変更の登記も、時間が経てば経つほど大変になる

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 前回、建物について所有権保存登記の未登記の場合は、保存登記は申請人が決まっているため売買が繰り返えされ、所有者が変わっていくと本来の申請人から離れ、登記することが困難になると説明しましたが、これは増改築による表題部の変更の登記も同様です。

表題部登記には申請人の問題はありませんが、変更の登記には増改築の内容を証明する資料が必要になります。この資料がないと、建物の内容を専門家に確認してもらい新しく資料を作成してもらうことになるので、その分費用が掛かってしまいます。

例えば、不動産の売買が繰り返し行われれば、どこかでその資料の受け渡しを忘れてしまうかもしれません。

他にも、増改築をした者に相続が発生し、相続人が売主になる場合は、増改築をしたかどうか知らない場合もあり、資料の発見が困難になるかもしれません。また、本人が資料を紛失することもあるかもしれません。そのような場合は、証明資料の作成分費用がかさみます。後々どこかで、変更登記が必要ならば、最初の時点でやっておく方が、費用が安く済むことがほとんどです。

増改築をしたら建物登記の変更も

 以上のことから親族間で建物を売買する場合には、増改築の有無、増改築がされている場合は、登記簿の記録と増改築後の建物の状況が合っているかを確認する必要があります。

一度売買により、建物の所有者が変わり始めたら、その後に正しい形に登記記録を戻すのは大変になります。そういった手間が掛からないように、登記はその都度行うのが一番でしょう。

ただ、親族間の売買のように、不動産の専門家が関与しない売買の場合は、ちょっとしたリスクに気付きにくいのが現実です。安く済むからと、自分たちだけで不動産を売買するリスクも頭に入れておきましょう。不動産は大きな財産ですので、慎重すぎるくらいが丁度いいです。

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8.増改築登記をしていない建物を親族間売買
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