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心理的瑕疵物件(事故物件)とは

事故物件になった場合の問題

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瑕疵物件の種類とは

瑕疵物件の「瑕疵」とは、法律用語でいうところの「キズ」を意味します。ここでいう瑕疵物件とは、何かしらのキズがある物件ということになります。瑕疵物件には主に、「物理的瑕疵物件」、「法律的瑕疵物件」、「環境的瑕疵物件」、「心理的瑕疵物件」の4つに分類されます。

①物理的瑕疵物件
売買時には気付かなかったが、生活する上で重大な欠陥がある場合。シロアリ被害、雨漏り、床の傾き、土壌汚染など。

②法律的瑕疵物件
物件が文化財指定地域に入っている、前面道路が都市計画道路の予定地になっている場合。

③環境的瑕疵物件
近隣に、悪臭のする施設(化学薬品工場、養豚場など)や騒音の激しい工場、また、暴力団事務所がある場合。他にも、震動、冠水、日照阻害、眺望阻害などがあります。
※最近では、近隣に暴力団事務所がある場合は、心理的瑕疵物件に分類されることもあります。

④心理的瑕疵物件
物件の室内などで、過去に自殺や孤独死、また殺人や火事などがあったような場合。

孤独死の増加と心理的瑕疵物件

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心理的瑕疵物件とは、物件内で過去に自殺や殺人などがあった物件ですが、事故物件とも呼ばれています。

事故物件という言葉はよく耳にするかと思いますが、このこと(心理的瑕疵物件)を指しています。国内における自殺者の数は毎年2万人超で推移しています。

そして、自殺者の半数以上が自宅で自らの命を絶っていることや、高齢者社会における孤独死の数も増加傾向にあることから、1年間でかなりの数の心理的瑕疵物件(事故物件)が増えていっているのがお分かり頂けるかと思います。

心理的瑕疵物件の告知義務

心理的瑕疵物件を扱う売主・貸主は、相手方へ必ずその告知をしなければならない義務があり、そのことは宅地建物取引業法第47条に規定されています。告知をしない場合には、告知義務違反となり訴えられることもあります。

《宅地建物取引業法第47条の1》
「宅地若しくは建物の売買、交換若しくは賃借の契約の締結について勧誘をするに際し、又はその契約の申込みの撤回若しくは解除若しくは宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため、次のいずれかに該当する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
ニ イからハまでに掲げるもののほか、宅地若しくは建物の所在、規模、形質、現在若しくは将来の利用の制限、環境、交通等の利便、代金、借賃等の対価の額若しくは支払方法その他の取引条件又は当該宅地建物取引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であって、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」

自ら積極的に心理的瑕疵物件を買ったり借りたりする人はいないでしょうから、47条でいうところの「相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこと」に、その事実は該当するでしょう。
心理的瑕疵物件は、何年経過したら告知義務がなくなるなどの基準は決まっていません。
たとえ10年、20年、50年、100年経過していたとしても、心理的瑕疵を感じる感覚は人それぞれ異なりますし、仮に100年も前のことであっても、その場所の歴史的な背景を気にする人もいるため、何年経ったら告知義務をしなくても良いという明確な基準は存在しません。また、心理的瑕疵物件が何回か人の手に渡れば告知義務がなくなるかというと、それも明確な基準は存在していませんし、例えば、同じマンションの別の部屋で自殺や殺人があった場合でも告知義務は発生する場合があります。マンションの敷地内である以上、それは告知事項となります。実際に心理的瑕疵物件の定義として判例ではこのように述べています。

“建物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景など客観的な事情に属しない事由をもって瑕疵といいうるためには、単に買主において右事由の存する家屋の居住を好まぬというだけでは足らず、さらに進んで、それが通常一般人において右事由があれば「住み心地のよさ」を欠くと感ずることに合理性があると判断される程度にいたったものであることを必要とする”

わかりやすく説明すると、買主や借主が「住みにくい」と感じたら心理的瑕疵というわけではなく、通常一般人(近隣住民など)から見ても住みにくいと感じるのであれば、心理的瑕疵と判断できるということです。

最近では、近隣に、暴力団事務所、宗教施設、火葬場、ゴミ処理場などがある場合も心理的瑕疵とみなされことがあるため、その物件が該当する場合には売主・貸主は相手方へ必ず告知をするべきでしょう。昨今、インターネットで調べれば心理的瑕疵物件(事故物件)がすぐに分かりますので、買主・借主は自分で一度調べてみるのもよいでしょう。
 

心理的瑕疵物件を理由に契約解除できるか

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心理的瑕疵物件を理由に契約の解除が可能かどうかの基準として、「契約の目的を達せられない」と判断された場合には契約の解除が認められています。

判例によると、居住用建物の場合には、およそ6年から7年以内の自殺では契約の解除が認められています。

契約締結時に建物が壊されている場合には損害賠償請求のみを認めた判例もあります。(自殺があった建物を取り壊した後の土地の売買においては、その自殺は土地の心理的瑕疵にはあたらないとされました。)

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