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登記簿謄本の読み方と各部説明

登記簿謄本は4つに分けて読み解く

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登記簿謄本を難しく考えない

不動産の登記簿謄本は、専門家ではない一般の方にとっては非常に読みにくく意味が分からない場合が多いです。
しかし、ポイントをおさえればそこまで難しく考えることはありません。

たしかに、登記のことを深く追求すれば、司法書士のような専門家でないと理解をするのは困難です。ですが、皆さんが知りたいことと言えば「所有者は誰か」「土地の面積はどれくらいか」「抵当権等の担保はついているのか」これくらいなものでしょう。

このくらいの内容なら、登記実務や法律を知らずとも登記簿謄本を見ればすぐに理解できるはずです。

登記簿謄本は、主に、①表題部、②甲区、③乙区、④共同担保目録の4つに分かれています。この4つの項目について説明していきます。

①表題部

表題部には、その不動産がどのような種類のもので、どのくらいの広さがあって、どこに所在するかという不動産の物理的な現況が記載されています。他にも、土地の用途や面積が変わったり、複数の土地を1つに合わせたり、1つの土地を複数に分割した場合には、表題部にその変更過程が記録されます。表題部はいわば、その不動産がどのように利用されてきたかの歴史が記載された不動産の顔といえるものです。また、新築した建物の場合や、埋め立てなどによって新たに土地が生じた場合には、その不動産には登記がまだ存在しませんので、最初に表題登記がおこなわれるのです。
次は、表題部に記載されているものを具体的に説明していきます。ここでは、土地の表題部を例に挙げます。

・調製
登記記録が調製された日が記載されています。データとして登記記録が作成された日を意味します。
・地図番号
不動産登記法第14条に従って作成地図がある場合、地図番号が記録されます。ない場合には、「余白」と記載されます。
・筆界特定
筆界とは土地の範囲を区画する線のことです。筆界が明らかでない場合、土地所有者の申請によって法務局で現地の筆界を特定することができます。対象となった土地については、日付や手続き番号が記録されます。
・不動産番号
1筆の土地ごとに地番とは別に不動産を区別するための不動産番号というものが付されています。
・所在
その土地が所在する市区町村及び字(あざ)を示しています。
・地番
その土地を特定する符号が記載されています。合筆などで閉鎖された土地の地番は再使用しません。同じ市区町村字の中の土地に同じ地番が付されることもありません。
・地目
田、畑、宅地、山林、鉱泉地、牧場、原野、墓地、公園、雑種地などのように、その土地の主たる用途が記載されています。
・地積
土地の面積が「㎡」を単位として記載されています。
・原因及びその日付〔登記の日付〕
地目変更、地積変更などにより表題部の登記記録に変更が生じた場合、その登記の原因が記載されています。
・所有者
新たに土地の表題登記がされた場合、所有者の氏名及び住所、共有持分が記載されます。

②甲区

甲区とは、所有権に関する登記がされます。所有権の登記のない不動産においては、表題部の所有者が所有権保存登記をおこなうことで初めて様々な権利の登記をすることができるようになります。

例えば、Aさんが自宅を新築した場合には、初めからAさんを所有者として不動産が出来たということになります。
この場合、初めておこなう所有権の登記ということで、所有権の保存登記が申請されます。以後、この所有権保存登記を基礎として、所有権移転登記や抵当権設定登記などの権利登記がなされていくことになります。

③乙区

乙区とは、所有権以外に関する権利登記として、「担保権」と「利用権」に関する登記がされます。いつ、誰から、どのような借入をしたのか、あるいは、誰にどのように利用させているのか、といった情報が登記されています。不動産の所有者の経済取引や利用についての履歴が記載されているということです。

・担保権
担保権登記には、「抵当権」、「根抵当権」、「質権」、「先取特権」があります。
このうち圧倒的に多いのが、抵当権の登記です。多くの不動産にはこの登記がされています。金融機関から住宅ローンを借りた場合には、ほぼ必ず抵当権の設定をおこないます。
・利用権
利用権登記には、「賃借権」、「地上権」、「地役権」、「永小作権」、「採石権」があります。
利用権の登記をするケースは非常に少なく、多くの登記簿には利用権に関する登記はされていません。例えば、アパートを借りるということは、建物の賃借権によるものですが借りた人もオーナーも仲介不動産会社も、賃借権の登記はしないのが普通です。その理由として、不動産を利用する側よりも、利用させる側の方の立場が強く、所有者が自分に不利になる可能性があること(利用権登記)には応じないためです。

④共同担保目録

共同担保目録とは、共同して担保の対象となっていることを示しています。どのような場合に確認をする必要があるかというと、例えば、債権の担保として不動産に抵当権などを設定する場合、保全する債権の額と不動産の価値とを十分に検討しなければなりません。
しかし、個人間の金銭貸し借りや売掛金の保全などのために抵当権を設定するときには、売買の場合に比べ調査が不十分になりやすいと考えられます。
そこで、同じ不動産に設定された抵当権の共同担保目録を確認します。

金融機関から融資を受けた際に設定された抵当権の共同担保目録があれば、私道の持分などにも抵当権が設定されているでしょうから、同じ範囲で抵当権を設定しておけば、少なくとも不動産の設定漏れなどが生じることを防げるでしょう。
 

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